photo by Keizo Kioku

Tabaimo → Yukio Nakagawa

March 22 – May 12, 2018

 

“花を乗りこえる。

剪って、切って、生身からしたたる粘液が、

いけるわたしの苦悩のなかから滲みでるまで。

花は見ている。

わたしは花という鏡に映じている。

花びらを落とした〈チューリップ星人〉の、

透き通って華奢な、

風にふるえる裸身とともに。”

— 中川幸夫

(中川幸夫作品集『魔の山』収録「花は魔の山」より抜粋)

 

 

この度ギャラリー小柳では、束芋と中川幸夫の二人の作家による「花」との対峙をテーマにした展覧会を開催いたします。束芋の個展「flow-wer arrangement」にて描かれた、花と人体のウォールドローイングを敢えてそのままに残し、“花と心中する男”の異名を持ついけばな作家・中川幸夫(1918-2012)の代表作《チューリップ星人》、《闡 ヒラク》を含む写真作品9点を展示いたします。

 

個性が剥ぎ取られた内臓や骨の一部に花をいけることで、ある一人の人間の生の芳香をかすかに匂わせる束芋のウォールドローイング《flow-wer arrangement》と、花という千態万様の生命体と人生をかけて向き合い続けた中川幸夫の写真。その競演を、ぜひ会場でご高覧ください。

 

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press release
*provided only in Japanese
koyanagi_tabaimo_nakagawa_pr.pdf
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