Arisa Kumagai, You or I, 2022, oil on panel / letterpress printing on paper, framed, 195 x 97 cm / 15.3 x 21.4 cm

熊谷亜莉沙|私はお前に生まれたかった

  

2022年4月16日(土)­- 6月25日(土)

12:00–19:00

*4月16日(土)作家在廊

*日 / 月 / 祝日休廊

 

この度ギャラリー小柳では、2022年4月16日(土)から6月25日(土)の会期にて熊谷亜莉沙の個展『私はお前に生まれたかった』を開催いたします。
2020年に国立新美術館で開催された「シェル美術賞 アーティスト・セレクション2020」で熊谷は自他の加害性の象徴として陶器の豹を描いた作品を発表しました。

前に進むことを決心した作家は、自らの手でその豹を破壊、それを描きました。約3年ぶりとなる今回の個展では、その作品を中心に全て新作で構成されます。

 

 

人を傷つけたいという欲求がある。
あるいは他者そのものを自分の一部だと思いたい。
漠然とした復讐心があった。
それは生まれついて私の中にあるようだった。
 
発見は、絶望と同時に霧が晴れたような気持ちをもたらした。
私は私を破壊し続けることでしか生きていけない。
 
自身の加害性から逃れられないのならば、
常に自身を破壊し進むこと、が一つの答えだった。
それが、私自身の全ての倫理と道徳にもなりうる。
 
 

熊谷の作品の出発点には常に自身のバックグラウンドが色濃く反映され、富裕と貧困、生と死、愛と憎しみという非合理的で矛盾に満ちた人間のありようや、その表裏一体の感情や姿に焦点を当て制作されています。


「熊谷が描き出すのは、「美しいもの」の解像度を上げた時に現れる棘−−禍々しさの領域である。それは、美や愛、幸福といった、私たちの生を取り巻く肯定的な世界が、目まぐるしく推移する消費社会や、性差による力の不均衡など、危うい基盤の上に立つ儚く脆いものであることを暗示する。」(藪前知子 「シェル美術賞 アーティスト・セレクション2020」 推薦コメント) 

 

卓越した写実表現で描かれる不穏な存在感をたたえた作品は、熊谷のパーソナルな感情や経験、自身の過去と現在に向き合うことで生まれ、個人的な背景を超えた強いエネルギーで鑑賞者の内部に入り込んでいきます。本展では鑑賞者に豊潤な想像力を喚起させるテキストが併置され、熊谷の創作に新たな展開を予感させています。
 
展覧会の初日、4月16日(土)は作家在廊予定です。
ぜひお立ち寄りいただけますようお願いいたします。

Arisa Kumagai, You or I, 2022, oil on panel / letterpress printing on paper, framed, 195 x 97 cm / 15.3 x 21.4 cm


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2022_kumagai_pr.pdf
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Photo by Keizo Kioku